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山と海
山と海
2008.5.2 RELEASE / CD ALBUM
Sunshine Records
Distribution / P-Vine Records

TRACK LISTING
1.Little Journey
2.Tropical Rock
3.山と海
4.ランデブー
5.Mellow Stone
6.スカイハイ
7.In The Rain
8.Dance Killer
9.温泉物語
10.Over The Rainbow
11.星空

SUNCD-001 / ¥2,730(税込)

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DE OIL DRUM CALLING

トリニダードに住むようになってから、カーニバル時期になると、日本からやってきたパンギャルたちに遭遇するようになった。スティールパン・チャンピオンシップの最高峰、パノラマで現地のバンドに混ざって、叩いてしまおうという、ハードコアな方たち。1ヶ月の練習にサバイブして、ファイナルにも登場、バンドのメンバーとして世界一になってしまうクセモノギャルまでいる。

どうしてスティールパンを叩くようになったのか聞いてみると、結構たくさんのギャルから、クラブでリトルテンポというバンドを見て、それまで全然知らなかったパンという楽器の音にピンとキて、それからパンに深入りしてしまったという答えがかえってきた。イカした(イカれた?)アニキたちがプレイする不思議な楽器に出会えた彼女たちはラッキーだ。パンの伝道師に導かれて、こんな地球の裏側までやってきて、パノラマのステージに立つギャルたちの笑顔は素敵だ。

僕が住んでいるカレナージュは首都ポート・オブ・スペインから車で15分ほどの郊外にあって、山の中腹からベネゼエラの海を見下ろす場所。
朝、バナナワニ園や熱帯植物園とかの温室のなかにいるような感じで、聞いた事のない鳥の声で目を醒す。庭をパトロールするとマンゴーの実がぼとぼと落ちて、それを適当に拾って食べたりする。
ここは地球に似合う音とそうじゃない音とがはっきりとわかる場所だ。
中途半端に人間が作った音だったら山の鳥の声を聞いていたほうがいいし、海から上がってくる風に吹かれているほうがいい。

最近僕のなかで勝手にヒットしているのは、70年代のカリプソと、60年代のトリニダード、ボールルーム・ダンスミュージックで、こういった音のよさは、どこからどう聞いても、それがこの南の国でその時代に録音された音だって一発でわかることだ。そしてそこに永久保存された空気が僕を暖めてくれる。
連日30℃を超す熱帯で、暖まっていたらヘンになりそうだけれど、ハートはどんなに暖かくなってもいいんだって知っているから。
-15℃のNYで、ラジオから流れるソウルミュージックが固まっていた心を融かしてくれた時代があったように、この島はもう一度あったかい音を探してるんだって信じているし、世界のポップスが全部、同じマシーンでおんなじ音になっていく時代だからこそ、ここでしか聞けない音を探し続けたいとおもっている。

このアルバムを聞いていて、おんなじ空気が聞こえてきた。TICO たちはそんな音をずっと大事にしてきたし、それがここではとても心地良く聞こえる。
街から家まで戻る15分のドライブ。夜の海と山が僕にくれるささやかな メディテーションの時間。時々音を聞きたくなくて、ラジオを消して走ることがある。

リトルテンポの音がすっとはいってきた。そしてこの音は、この夜の移動空間にとてもよく似合っている。一番新しいアルバムなのに、もっと懐かしい音がして、なぜか、コンボなのにスティールバンドの気分が聞こえてくる。
僕がいちばん好きなスティールバンドの瞬間は、すべての音が鳴り終わった直後。
たくさんのプレイヤーが作りだした音が熱に変換されて、体温と混じり、ほんとうに空気が熱くなっているのがわかる。そんな音にならない音がこのアルバムにもずっと聞こえていて、そのことがこのアルバムを とても暖かいものにしているのだ。

TICOがロンドンからトリニダードにやってきたのはたぶん2004年のことだった。空前の石油バブルがちょうどこの国にやってこようとしていた頃だ。
イケ イケ イケのトリニダードを紹介しながら、僕のなかにも、トリニダード、ちょっとすごいだろうって、この国のクレイジーなパワーをアピールしたいという気持ちがあったとおもう。

人は人が作り出す熱狂がないと生きていけない。
きっとカーニバルがないこの島は死ぬほど退屈だ。

でもカーニバル以外のトリニダードを知るようになってから、僕のなかでもいろいろなことが変わってきた。
カーニバルの朝でも、この場所には変わらない自然がある。
アッシュウェンズデーの朝(カーニバル直後の水曜日)ラジオは突然今までのハイパーなソカを捨て去って、レゲエとヒップホップばかり流している。
昨日までの熱狂が嘘のように平然と、オフィスに働く人がいる。

静かなトリニダードも確かに存在しているしカーニバル時期には決して見ることのできない光と影がる

リトルテンポの音は普通のトリニダードでとても気持ちいい。
きっと、UKでもハワイでも南インドでも、フィリピンの島でも気持ちいいとおもう。

そんないろいろな島でモワーっとする事を考えていたらTico たちに会いたくなってきた。

Tico、またトリニダードにおいでよ。オイル・ドラムの島で会おうよ。

そしてこのアルバムの続きの音を聞こうよ。
Ken P には騒ぎすぎ ないようにって 言っておくから。

 

Yoichi Watanabe

プロデューサー/エンジニア/University of Trinidad and Tobago 講師、 客員研究員

 

※Little Tempoニューアルバム「山と海」において、ゲストミュージシャンとして参加した大野由美子さん(バッファロードーター)のクレジットが記されておりませんでした。ここに、お詫びと訂正をさせていただきます。製作物に関しましては順次、訂正させて頂きますので、関係者皆様にご迷惑お掛けしました事、深くお詫び申し上げます。